まっきーさま (¥4,500)
それから、残念ながら我が家からは見えませんでしたが、昨夜8時から全国200か所で一斉に花火が打ち上げられました。
これは、コロナ禍で落ち込んでいる世の中の雰囲氣を吹き飛ばそうと全国の花火業者の方々が手を組んだプロジェクトだったのです。
例年だったら、夏場の花火大会に向けて5〜6月に花火の製造作業の最盛期を迎えるはずでした。
しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で、花火大会の中止が相次いで発表され、花火師たちは皆、苦境に立たされていたのでした。
そんな中彼らは、自分たちも苦しいけれど、それよりも皆んなの笑顔が見たいと、皆んなが少しでも上を向いて欲しいとの想いがつのり、仲間たちとWEB会議で相談をして、5分だけの打ち上げをする事が決まったのでした。
当初は11社だけでしたが、参加を呼び掛けていくうち、全国で約160社もの花火業者が賛同してくれる事になったのでした。
人混みが生じるのを避けるため、日時や打ち上げ場所は非公表にされていたので、驚かれた方もいらしたかと思います。
でも、彼らは綿密に着々と準備を進めていたのでした。皆んなの驚く顔を想像しながら。
花火大会は元々『悪疫退散の祈願』が起源とも言われています。
歴史上、記録が残っているのは、両国の花火大会が最古のようです。
江戸時代の享保17年(1732)の大飢餓では、多くの餓死者が出て、更に疫病が流行し、国勢に多大な被害と影響を与えたそうです。
そのため8代将軍吉宗は、翌18年5月28日、犠牲となった人々の慰霊と悪病退散を祈り、隅田川で水神祭を行うのでした。
この時に、両国橋周辺の料理屋が公許により花火を上げたことが「両国の川開き」の由来となったのだそうです。
今回打ち上げた「花火玉」には、ウイルスの終息祈願や医療従事者への感謝のメッセージなどが書き込まれていたそうです。
「悪疫退散を祈願し、花火を見上げた皆んなに笑顔になってもらいたい。」
「全国の人たちに希望と元氣を届けたい。」
そんな花火師たちの願いが、昨日の打ち上げ花火には込められていたのです。
なんか、花火師さんたちの想いを知って、胸が熱くなりました。
ブルーインパルスも打ち上げ花火も、皆んな大好きだと思います。
上を見上げるのも同じなら、はかなく消えてしまうのも同じ。
ただ、そこに込められている想いが、ちょっと違うように私には思えたのです。
ブルーインパルスには罪はありませんが、そこに政府の支持率回復へのパフォーマンスを感じないではいられませんでした。
医療従事者に感謝を、と言って皆が見ているのは飛行機の方であり、財政難に喘いでいる医療関係者の方を誰も向いていないように思えました。
飛行を提案した河野防衛大臣は、「ブルーインパルスを飛ばすより、医療関係者に手当を配るのが先だろうというご意見もありました。それは別物だと思います。」と答えていましたが、感謝の名目で、ただ自衛隊にお金を出してアクロバット飛行を依頼しただけでは病院の経営難は何も変わりません。
けれど、打ち上げ花火の方には、皆んなと同じ目線で苦しんでいる花火師さんたちの真摯な想いが込められていました。
収入がなく困っているのに、皆んなの笑顔のために花火を自分たちの手で打ち上げてくれたのです。
そこには、パフォーマンスとか変な下心とかはありませんでした。だから、違和感を感じなかったのです。
昼間と夜、同じ空を見上げて各々が感動する2つの出来事でありましたが、人の想いの込められ方によって、こうも違いが出るんだと言う事をはっきりと感じたのでありました。
私も、いつもとはひと味違う心のこもった美しい打ち上げ花火をこの目で見てみたかったです。