10月10日(土)に新宿でプーデルさんのお話会が開催されます。
あの世のお話会 第5弾「神無月に神様の声~パワースポットで耳をすませば~」(仮タイトル)
プーデルさんは、私の大好きな小説家・佐藤愛子さんの娘さんです。
私のイチオシの愛子さんの著書「私の遺言」には、霊能者の江原啓之さんや美輪明宏さんも出て来られます。
私の遺言 (新潮文庫)/新潮社
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¥562
Amazon.co.jp
10日は土曜日なので、休みの希望者が多く、無理だとあきらめていたのですが、シフトが出て確認したら、何とお休みが取れていました!やったー!
なので、私も参加しま~~す。
そもそも、私がプーデルさんのお話会に参加するようになったきっかけは、とても不思議なつながりがあったのでした。
すべては観音様のお計らい
そしてその後、蓮ねさんのおかげで愛子さん・プーデルさんのお宅にもお伺いする事が出来、私は幸せです。
さて、今回のお話会ではプーデルさんがどんなお話を聞かせて下さるか楽しみです。
何しろ愛子さんの血を引く娘さんだけあって、その話術はとっても面白いのです。
彼女のブログから、ほんの一例をご紹介させていただきますね↓
プーデルさんのブログより
ハチ
図書館から戻ってきて玄関を開けるとオババのスリッパが並べてあった。
代わりに私のが消えているので、どうやらオババが間違えて私のスリッパを履いているらしい。
仕方なくオババのに足を入れて私は悲鳴を上げた。
「あんがぁぁぁっ!!」というような人間離れした声が出た。
足の甲だ。ものすごい痛みだ。
すぐに自分の部屋に入ってウナコーワを塗った。
虫が刺したのに違いないのだが正体を確認する暇はない。この痛みには悪意がある。
この別荘周りにはアブがいる、蜂がいる、お尻に大工道具のやっとこみたいなトゲのある黒い甲虫もいる(こいつも刺す)、けれどこの痛みはそのどれとも違った(つまりはこのすべてに私は刺された経験があるのです)。
スリッパを掴んで叩くと中から黄色と黒のだんだら模様の尻をしたスズメバチがはい出てきた。
あわてて殺虫剤をふきかけて殺し、風呂場へ行って患部にシャワーを噴射、同時に皮膚をひねりあげて毒を絞り出す。
以前テレビでスズメバチに刺された時の処置方法をやっていたのだ。たまにはテレビも役に立つ。
ーアナフィラキシー-という言葉が浮かぶ。
確か心臓が苦しくなるんだったか…。
そういえば心なしか心臓の鼓動が弱弱しくなってきた気がする。
リビングに入っていくとオババが長椅子に寝転がってテレビを見ていた。
椅子の足元には案の定私のスリッパが脱いである。
「スズメバチに刺されたよ」
「どこで?!」
「玄関で。おばあちゃん、私のスリッパ履いてったでしょう。玄関に揃えてあったおばあちゃんのスリッパの中に潜んでたんだよ」
「へぇー」
へぇーじゃねえよ、と言いたくなる。
「アナフィラキシーショックというのがあるので、私が苦しみ悶えだしたら救急車呼んでください」
と椅子にぐったりと体を預けたら、さすがに心配になったのかオババは起き上がって、いつもお世話になっている、元U町の図書館館長のOさんに連絡した。
Oさんはびっくり仰天してすぐに飛んできてくれた。
Oさんの近所の人が誤ってスズメバチの巣を踏んで攻撃され、アナフィラキシーショックで亡くなったことがあるのだという。
刺されてから亡くなるまでの間は20分ほどだったそうだ。
「プーデルさん、もう20分過ぎてるから大丈夫だわ。よかったね」そう言われた。
そういえば心臓もそれなりに穏やかに動いている。ぐったり気分もどうやら思い込みのようだ。
「オババ先生がスリッパを間違えなければ先生が刺されていたところですね」
「そうねぇ。危なかったわ。神様のお導きだわね」
「ありがとうございます ありがとうございます」と手を合わせている。
ありがとう、じゃねぇよ、と言いたくなる。
導いてもらえなかった私はどうなるのだ。神様がそんなエコヒイキしていいのか。
聞くところによると私の留守中、訪ねてきた役場の方がスズメバチの巣を見つけて、すぐさま撤去してくれたのだという。
危険なのはその後だ。
遠出していた残党が棲み家なくして周辺を彷徨う。
それを「戻りバチ」と呼ぶ。私を刺したのはその「戻りバチ」だ。
Oさん自身、かつて靴の中に入っていた戻りバチに刺された経験がある。
その時は痛みで車を運転することもできなくなって娘さんに病院まで運んでもらったという。
彼女はその時の蜂の死骸をプラスチックのケースに納めて大切に保存していた。
死骸を寝かせた台紙には「××年△月 O子を刺したモンスズメバチ」と記してある。
彼女は勉強家なので、自分を攻撃した敵の研究も怠らない。二匹の蜂を熱心に見比べている。
Oさんは私を刺した蜂をそっとティッシュに寝かし、マッチ箱に入れた。
役場の係りの人に鑑定してもらう、と言って持って帰った。
ひとまず落ち着いて、やれやれ、と私はマッサージチェアに横たわった。
椅子を倒して上向きになったら居間のペンダント式ライトを見上げる格好になった。
ライトのカバーは球体でよく虫が入る。入った虫がシルエットになって飛んでいる。
その中にいた。
あのスズメバチだ。
砂時計型の身体、八の字の細い羽。さっきOさんとじっくり観察したから間違えようがない。
きっと巣に戻ってきて迷子になり、灯りに誘われてカバーの中にもぐりこんだ戻りバチだろう。
「こんなところにもいるわ」
電球を指さして、私はマッサージに身を任せた。
彼女は(蜂は殆どがメスとOさんが教えてくれた)やがては閉じ込められたまま死ぬはずだ。
30分ほどうたた寝した。そろそろ食事の支度をしようとゆっくり起き上って自分のスリッパを履いた時
「あんがぁぁぁっ!!」
私は二度目の悲鳴を上げた。間違いなかった。やっぱり悪意ある痛みだ。
スリッパをつかんで叩くと中から黄色と黒のだんだらの尻が出てきた。
同じ右足の甲を二度、スズメバチに刺された!
あわてて殺虫剤で殺し、ペンダントライトを見上げた。
奴はいなかった。
根生姜のようですが私の足です。
クリームパンのようですが私の足です。
モンスズメバチ・・・Oさんが調べてくれてところによると私を刺したのはモンスズメバチだという。
スズメバチの見分け方をチャート式にしたものを持ってきて説明してくれた。
オババは「でもかわいそうだわねぇ」とハチに同情した。
「せっかく巣を作ったのに取り壊されて。夜、寝るところもないからスリッパの中に入っていたらヌッとデカいアブラ足が入ってきて。そりゃ、刺したくなるわよ、ねーえ」
Oさんに言っている。
ねーえ、じゃねえよ、と言いたくなった。
もっとも足を刺されたのは私だけじゃなくOさんもだから、「デカいアブラ足」は彼女も当てはまる。
そのせいかOさんの笑い方はフフフと力ない。
<転載終わり>
ねっ、面白いでしょ?
スズメバチに刺されたのは大変な災難ですが、それをこんなにも楽しく書けるプーデルさんは流石です。
また、お会い出来る事を楽しみにしております。
10日のお話会の参加お申し込みはこちら↓
http://system.formlan.com/form/user/gentoukai/4/
会場でみなさまとお会い出来たら嬉しいです。
![ペタしてね]()
あの世のお話会 第5弾「神無月に神様の声~パワースポットで耳をすませば~」(仮タイトル)
プーデルさんは、私の大好きな小説家・佐藤愛子さんの娘さんです。
私のイチオシの愛子さんの著書「私の遺言」には、霊能者の江原啓之さんや美輪明宏さんも出て来られます。
私の遺言 (新潮文庫)/新潮社

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なので、私も参加しま~~す。
そもそも、私がプーデルさんのお話会に参加するようになったきっかけは、とても不思議なつながりがあったのでした。
すべては観音様のお計らい
そしてその後、蓮ねさんのおかげで愛子さん・プーデルさんのお宅にもお伺いする事が出来、私は幸せです。
さて、今回のお話会ではプーデルさんがどんなお話を聞かせて下さるか楽しみです。
何しろ愛子さんの血を引く娘さんだけあって、その話術はとっても面白いのです。
彼女のブログから、ほんの一例をご紹介させていただきますね↓
プーデルさんのブログより
ハチ
図書館から戻ってきて玄関を開けるとオババのスリッパが並べてあった。
代わりに私のが消えているので、どうやらオババが間違えて私のスリッパを履いているらしい。
仕方なくオババのに足を入れて私は悲鳴を上げた。
「あんがぁぁぁっ!!」というような人間離れした声が出た。
足の甲だ。ものすごい痛みだ。
すぐに自分の部屋に入ってウナコーワを塗った。
虫が刺したのに違いないのだが正体を確認する暇はない。この痛みには悪意がある。
この別荘周りにはアブがいる、蜂がいる、お尻に大工道具のやっとこみたいなトゲのある黒い甲虫もいる(こいつも刺す)、けれどこの痛みはそのどれとも違った(つまりはこのすべてに私は刺された経験があるのです)。
スリッパを掴んで叩くと中から黄色と黒のだんだら模様の尻をしたスズメバチがはい出てきた。
あわてて殺虫剤をふきかけて殺し、風呂場へ行って患部にシャワーを噴射、同時に皮膚をひねりあげて毒を絞り出す。
以前テレビでスズメバチに刺された時の処置方法をやっていたのだ。たまにはテレビも役に立つ。
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確か心臓が苦しくなるんだったか…。
そういえば心なしか心臓の鼓動が弱弱しくなってきた気がする。
リビングに入っていくとオババが長椅子に寝転がってテレビを見ていた。
椅子の足元には案の定私のスリッパが脱いである。
「スズメバチに刺されたよ」
「どこで?!」
「玄関で。おばあちゃん、私のスリッパ履いてったでしょう。玄関に揃えてあったおばあちゃんのスリッパの中に潜んでたんだよ」
「へぇー」
へぇーじゃねえよ、と言いたくなる。
「アナフィラキシーショックというのがあるので、私が苦しみ悶えだしたら救急車呼んでください」
と椅子にぐったりと体を預けたら、さすがに心配になったのかオババは起き上がって、いつもお世話になっている、元U町の図書館館長のOさんに連絡した。
Oさんはびっくり仰天してすぐに飛んできてくれた。
Oさんの近所の人が誤ってスズメバチの巣を踏んで攻撃され、アナフィラキシーショックで亡くなったことがあるのだという。
刺されてから亡くなるまでの間は20分ほどだったそうだ。
「プーデルさん、もう20分過ぎてるから大丈夫だわ。よかったね」そう言われた。
そういえば心臓もそれなりに穏やかに動いている。ぐったり気分もどうやら思い込みのようだ。
「オババ先生がスリッパを間違えなければ先生が刺されていたところですね」
「そうねぇ。危なかったわ。神様のお導きだわね」
「ありがとうございます ありがとうございます」と手を合わせている。
ありがとう、じゃねぇよ、と言いたくなる。
導いてもらえなかった私はどうなるのだ。神様がそんなエコヒイキしていいのか。
聞くところによると私の留守中、訪ねてきた役場の方がスズメバチの巣を見つけて、すぐさま撤去してくれたのだという。
危険なのはその後だ。
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Oさん自身、かつて靴の中に入っていた戻りバチに刺された経験がある。
その時は痛みで車を運転することもできなくなって娘さんに病院まで運んでもらったという。
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死骸を寝かせた台紙には「××年△月 O子を刺したモンスズメバチ」と記してある。
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その中にいた。
あのスズメバチだ。
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きっと巣に戻ってきて迷子になり、灯りに誘われてカバーの中にもぐりこんだ戻りバチだろう。
「こんなところにもいるわ」
電球を指さして、私はマッサージに身を任せた。
彼女は(蜂は殆どがメスとOさんが教えてくれた)やがては閉じ込められたまま死ぬはずだ。
30分ほどうたた寝した。そろそろ食事の支度をしようとゆっくり起き上って自分のスリッパを履いた時
「あんがぁぁぁっ!!」
私は二度目の悲鳴を上げた。間違いなかった。やっぱり悪意ある痛みだ。
スリッパをつかんで叩くと中から黄色と黒のだんだらの尻が出てきた。
同じ右足の甲を二度、スズメバチに刺された!
あわてて殺虫剤で殺し、ペンダントライトを見上げた。
奴はいなかった。
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クリームパンのようですが私の足です。
モンスズメバチ・・・Oさんが調べてくれてところによると私を刺したのはモンスズメバチだという。
スズメバチの見分け方をチャート式にしたものを持ってきて説明してくれた。
オババは「でもかわいそうだわねぇ」とハチに同情した。
「せっかく巣を作ったのに取り壊されて。夜、寝るところもないからスリッパの中に入っていたらヌッとデカいアブラ足が入ってきて。そりゃ、刺したくなるわよ、ねーえ」
Oさんに言っている。
ねーえ、じゃねえよ、と言いたくなった。
もっとも足を刺されたのは私だけじゃなくOさんもだから、「デカいアブラ足」は彼女も当てはまる。
そのせいかOさんの笑い方はフフフと力ない。
<転載終わり>
ねっ、面白いでしょ?
スズメバチに刺されたのは大変な災難ですが、それをこんなにも楽しく書けるプーデルさんは流石です。
また、お会い出来る事を楽しみにしております。
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