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放射能から子供たちを守れるか

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11日の「報道ステーション」の内容は衝撃的でした。

ご覧になられた方も多いでしょうが、非常に大事な問題なので、文字にまとめて残しておこうと思います。

長いですが、お時間のある時に読んで下さいね。

甲状腺がんと原発事故の関係

これまで、子どもの甲状腺がんは、「100万人に1~2人」と言われてきた。

ところが、福島では「27万人のうち33人」が甲状腺がんと判明し摘出手術を受けている。

お子さんが甲状腺がんになったというお母様が、悩みながらも特別に胸の内を語ってくれた。

インタビューに応じてくれたのは、7人中、ただひとりだった。

担当した医者に「お子さんの就職の際にマイナスになるから、こういう事に関しては周囲にしゃべらない方がいい」とアドバイスを受け、インタビューを断る人もいた。

10代の子どもを持つAさんは、県の検査で子どもの甲状腺に5mmを超えるしこりが見つかった。甲状腺がんだった。そして、周辺のリンパ節の一部を切除した。

photo:01


Aさんは語る。

小さい10代の子どもでも「がん」と聞けば「なぜだ、自分だけがなぜなんだ」となる。

「どうせがんなんだから死んでしまいたい」そこまで言われた。

親として励ます言葉をどうやってかけていいか分からなかった。

だから「死ぬときは一緒だからな」って。

夫と子どもは私に「放射能の話はするな」「お母さん放射能は調べないでくれ」と泣いて訴えている。

だからうちではもう、放射能の話はタブー。毎日が喧嘩になる。

夫は「知らないのが一番幸せなんだ。知らないで生活するのが一番いいんだ」と言う。

Aさんは日々の様子を詳細にノートに記している。

事故当時、家の近くは年間の線量でおよそ40ミリシーベルト。家の雨どい付近では85ミリシーベルトという高い値だった。

子どもは部活に熱心で、原発事故で学校が休みになっている間も、ひとり雪の中練習していた。

2011年3月15日。その日は雪が降っていた。

その日は近所のお宅の井戸水を皆で汲みに行った。水はあらゆる所を探して歩いた。

その震災から7カ月後、県の甲状腺検査が始まった。

1次検査で異常がなければA1判定

5mm以下のしこりや甲状腺に水分が溜まってできるのう胞が20mm以下の小さいものがあるとA2判定

それを超える大きなしこりやのう胞が見つかるとB判定、C判定とされ二次検査が必要になる。

がんの疑いもあるため細胞を採るなどして、さらに詳細な検査が行われる。

甲状腺がんは、原発事故と深い関係がある。

甲状腺は、成長や発達を促すと同時に全身の新陳代謝を調整する甲状腺ホルモンを作り出す。

この甲状腺が必要とする栄養素が「ヨウ素」

原発事故で放出された「放射性ヨウ素」も甲状腺は区別なく取り込んでしまうのだ。

甲状腺に集まった「放射性ヨウ素」は放射線を出し続け、がんの要因の一つとなる。

そして、新陳代謝が活発な子どもほど放射線の影響を受けやすくなる。

Aさんの子どもは1次検査でB判定。5mmを超えるしこりが見つかった。

しかし、手元に届いたのは「二次検査をお勧めします。なお、二次検査の実施につきましては、別途お知らせします。」というわずか1枚の通知だった。

何の説明もなかった。2次検査まで半年以上待たされた。

Aさんは、半年も待てず他の病院を探したが、いざ病院に行ったら、「事務所の手違いで予約を受けてしまった。(県が)決めている事なので、個人の病院では検査することはできない。」と言われたという。

県内で甲状腺の一時検査を行えるのは県立医大のみ。

来年度から増やす予定はあるが、それに選ばれるためには条件がある。

エコー検査をするだけで診断はせず、検査データはすべて医大に送らなければならない。

甲状腺に問題があるかどうかの診断は、医大が一括して判定する仕組みだ。

なぜ県立医大だけに診断の権限が集中しているのか?

photo:02


甲状腺の第一人者で、検査の責任者でもある県立医大の鈴木教授は、「県立医大と同じやり方で検査しなければ、異なる診断が出て混乱を招く」という。

しかしそれでは県立医大以外での客観的な診断を抑えつける結果になるのではないか?

県立医大の検査について、不信感を持つ住民もいる。

県の検査で20mm以下ののう胞が見つかった中学生の女の子と母親が取材に応じてくれた。

中学生「県の検査は人数も多いので仕方ないとは思うが、3分や5分では足りない。流れ作業のようだった。」

母親「どこにどれくらいの大きさのものがあるとか、のう胞がこうなる可能性があるとか、そういう説明は一切なく、説明してもくれず、ただ二次検査の必要はないと言われた。」

確かに20mm以下ののう胞は、県の基準ではA2判定で二次検査の必要はない。

しかし、不安を抱いた母親は県立医大とは距離を置き、県の検査に批判的な診療所を訪ねた。

中学生「検査の時間が倍以上で、流れ作業ではなく時間をかけてじっくり診てくれて安心した。」

親子が再検査を受けた診療所の松江院長は、排他的な県立医大の診療方法を強く批判している。

photo:03


「検査を受けたけれども不安だというのは当然。

県立医大は、患者に直接説明するなと言っている。患者への説明も、検査の結果を文章で我々が渡すと。

なので受診者に直接説明をするなという。こんなことありえない。」

親子は定期的に検査を続けている。

母親「先月3ヶ月ぶりに検査をしたら、しこりが突然出来ていて、この先どういうふうに変わっていくのか不安な気持ちと、何も終わっていないというか、この先も続くという思いで生活をしている。」

原発事故後、体調を崩した娘は、学校の先生に放射能への不安を相談したが、心配し過ぎだと相手にされなかったという。

不信感が募り、今は学校に行けなくなっている。

中学生「包み隠さず、情報を公開してほしい。情報を公開することで救われる人たちもいると思うし、やっぱりこれから生まれてくる人達の事も心配なので。」

県の甲状腺検査では、この情報公開についても後ろ向きだ。

たとえ検査を受けた本人であっても、自分のデータを受け取るためには、県に対して情報開示請求までしなければならなかった。

批判を受けて手続きは簡素化されたが、それでも申請書類が必要で、受け取るまでに3週間ほどかかるという。

今見つかっている子どもの甲状腺がんについて、県の第3者委員会は「原発事故の影響は考えにくい」としている。

Aさんはやり場のない思いを抱えている。

「まだ放射能の事をしゃべるの?心配しているの?」「まだそんなことばっかり考えてるのかい?それじゃ前に進めないじゃない」と言われる事がある。

親戚や頼りにしている方からも、「大したことないんじゃない、そんな事」「切れば治るんでしょ。死ぬわけじゃないんでしょ。」「言っちゃ悪いけど、大したことないじゃない。」とも言われた。

大したことある。それが悔しい。私は自分で罪なのかと思っている。「本当の事を知るのが罪」と。

福島県以外の別の県では、お子さんが甲状腺がんだと分かった時には、病院は福島県のケースよりも手厚く丁寧に相談に乗ってくれる可能性がある。

なのに、福島県でこういう状況になった子どもの方が邪険にされている。

もしそうだとしたら、こんな不条理はない。

また、甲状腺がんの方が18歳を過ぎて大きくなった場合には、検査や治療などが有料になる可能性がある。これもおかしな話。

福島県平田村には、子供たちの甲状腺検査などを無料で行っている病院がある。

ひらた中央病院・佐川氏は言う。

photo:04


「原発事故からまだ3年しか経っていない。まだ終結していない。

放射能は心配ない、問題ないと言い切れることではない。」

福島県の甲状腺がんの発症率の高さについて、長崎大学の山下俊一氏はこう述べる。

photo:05


これまでは、自覚症状があってから見つかっていた甲状腺がんだが、スクリーニングで福島県の全員を調べているので、発見が多くなっているのだと。

こうした事から、県立医大の鈴木教授は現在福島で見つかっている甲状腺がんは、原発事故の影響とは考えにくいとしている。

チェルノブイリの事故のデータでも、4~5年後から急増している為、今出ているものに関しては、影響の可能性は非常に低いとも語った。

photo:07


しかし、チェルノブイリ事故の時には、子供に甲状腺がんが激増する想定は全くなかった。

広島・長崎の甲状腺がんの発症は、早くても8年後以降となっていた為、チェルノブイリでも事故後4~5年で見つかったがんは「放射能とは関係なし」とされた。

しかし、現実は違った。当時、4年で発症するとは誰も思ってもいなかった。

このような事から、福島の子供たちの健康調査を独自に行っている松崎道幸医師は、チェルノブイリの最初の甲状腺データには非常に疑いがあるとしている。

photo:06


さらに調べると、チェルノブイリ事故の当時のソ連には高性能のエコー診断装置はなく、触診で診察するしかなかった事が分かった。

アメリカの大富豪からエコー診断装置の寄贈を受けたりして、高性能の検査機器が導入されたのは、事故から4~5年経ってからだというのだ。

だとすると、早い時期から子供の甲状腺がんが増えていた可能性がある。

初期の内部被曝のデータが足りない事について、崎山比早子氏は「一生懸命やろうと思えば出来たはずなのに、それを止める力が働いた。」と語る。

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「やらない事の言い訳に、不安を与えるからとすぐに言うが、きちんと測ってもらった方が不安は減る。」

初期の状況下で住民がどれだけ被曝したのか知ろうとした弘前大学・床次教授だが、福島県の担当者からストップが入った。

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人に関する事については、不安をあおる事はやめてくれと。行政の協力なくして勝手にやるわけにはいかなかった。

こうして、内部被曝の貴重なデータを得る機会は失われた。

「普通ならば、甲状腺検査をやらないといけないのが分かっているはずなのに、誰も何も言わなかった。その雰囲気が異常だった。」と床次教授は語る。

福島県と県立医大とが組んで、情報を全て管理していた。情報は公開せずに情報を独占していた。

それは、被曝の影響はないというのが前提となっている。

photo:10


「住民の避難指示解除、もしくは自主避難も含めて、住民の帰還が議論されているが、人口減少を防ぎ、産業復興、つまり福島県が産業を立て直すこと以外に目的はない。」と日野行介記者は語る。

原発事故から3年。先の見えない日々を過ごして来た福島の人たち。放射能の影響とどう向き合うのか。

その答えも未だ見えていない。。

<まとめ終わり>

他の災害だったら、その時だけで終わるのです。

しかし、原発事故はその後何十年、何百年と人々を苦しめるのです。

人口流出を防ぐため、産業復興の為だからと言って、まだ、放射能が漂う場所に人々を、子供たちを戻してしまっていいのでしょうか。

子供たちの生きる希望を奪ってしまっていいのでしょうか。

原発再稼働などあり得ません。

お子さんを甲状腺がんにさせてしまったお母さんのインタビューを聞いていて、原発はこの世から絶対になくしていかなければと願わずにはいられません。


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