21日の投票前に、是非読んでおいてもらいたい記事があります。
東京新聞より抜粋
「改憲もってのほか」宮崎駿監督 いま声を大に
「憲法を変えるなどもってのほか」。
スタジオジブリが、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督が寄せた記事が話題を呼んでいる。
全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日前に読んでほしい」と18日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。
熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。
意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。
執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。
本紙に5月、掲載された鈴木敏夫さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。
いずれも憲法9条や改憲手続きを定めた96条の改憲に反対する内容だ。
宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。
また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。
10日から全国の書店で配布した約5千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。
「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。」
20日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。
戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。
「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。
<抜粋終わり>
「ジブリ」とは、イタリア語で「熱風」を意味するのだそうです。
「熱風」の7月号 特集「憲法改正」は、こちらからダウンロード出来ます。
http://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdf
(ダウンロードは無料ですが、配信期間は8月20日18時までだそうです。)
お忙しい方の為に、少しまとめておきます。
宮崎 駿氏
就任以前から憲法改正に意欲を燃やしている安倍総理は、 着々とその準備をしている。
結党以来「憲法改正」 を党の使命として掲げているが、自民党の出している新憲法の草案を、また憲法 96条改正の流れ、憲法 9条改正を、どれだけの人が正確に理解しているか。
もしかすると最大の問題は、国民の無関心かもしれない。
今後の日本の方向性を決める大切な事だ。
高畑 勲氏
憲法第九条は、全世界で実現すべき素晴らしい理想の旗であり、日本はこの憲法第九条を外交の中心に据えるべきだ。
世界に核廃絶や軍縮や、武器輸出の禁止を訴えるためにも、また、紛争は平和的手段で解決しなければならないと考える全世界の人々の力を結集するためにも、憲法第九条は大変大きな旗印になる。
イラクからの自衛隊の撤退はもちろん、いかなる武器も輸出せず、平和憲法を維持すべきだ。
しかし、現状は残念ながらそういう政権が生まれる可能性はなさそうだ。
それどころか、いつもアメリカの陰に いて、外交的手腕と言えるようなものをもっている人材が育っていないのではないか。
日本国民のほとんどが戦争に巻き込まれないで済んだのは、結局憲法第九条のおかげだったのではないか。
だからこそ、いまアメリカがやっきになって日本を戦争のできる国にしたがっているのだと思う。
そしてその邪魔になる憲法第九条の改定を要求していて、アメリカに 寄り添っていなければ日本国は立ちゆかないと考える人々が、国民が再び「血を流す」ことを可能にしようと画策しているのではないか。
海外にはない日本のアニメ映画の大きな特徴のひとつは、原爆など、戦争末期な悲惨な体験を描きながら、もうあんなみじめな思いや経験はしたくない、させたくない、 というかたちで反戦平和を願う気持ちを子供たちにもってもらおう、という狙いで作られたアニメが、かなりの本数あること。
これは大変有意義なアニメーションの使い方だった。
いまは、戦争末期の悲惨さではなく、あの戦争の開戦時を思い出す必要がある。
それまで懐疑的だった人々も大多数の知識人も、戦争が始まってしまった以上、 あとは日本が勝つことを願うしかないじゃないか、とこぞって為政者に協力しはじめたことを。
有名人をふくめ、ほとんどの人が知性や理性を眠らせてしまい、日本に勝ってほしいとしか願わなくなっていた。
ウソの情報を与えられて、だまされていたんだ、あるいは反対できる雰囲気ではなかったんだ、と言い訳することもできるが、それは後の祭り。
大多数の人々は心から戦争を支持した。大々的に応援し、 酔ったように感動した。
その上、アジアの人々に対する優越感を多くの日本人が共有していた。
やめることもできなく歯止めのかけようがなかった。
別の意見をもっていて、方向転換を打 ち出せたかもしれない少数派はすでに牢屋の中だった。
ただただ日本に勝ってほしいという、みんなの中にあった素朴な願望が、為政者のそんな非理性的な世迷い言を支えていた。
弱音を吐く連中を「非国民」と決めつけ「負けてもいい、はやく降伏した方がいいのだ」と勇気をもって言える人がほとんどいなかった。
この情けない私たちに歯止めをかけるすべはあるのか。知性や理性を眠らせないですむ方法はあるのか。
そのための根本理念が、憲法第九条なのではないか。
第九条があったからこそ、戦後の日本はアメリカに従属していたにもかかわらず戦争に巻き込まれないで済んだし、また、過去に侵略したアジアの 国々との関係で過度の緊張が生まれなかったのだ。
憲法は政権が変わった程度でころころ 変えてはならないものだからこそ、第 96条で、両院の3分の2の賛成がなければ発議できない、と決めてある。
しかし改憲は安倍総理にとっての〝悲願〞だ。一言で言えば、戦前のように〝国民を国家に従わせやすくする〞ために、憲法を変えたくてたまらないのだ。
改憲で、安倍総理や自民党は、国の方が国民にこうあれ、と憲法で言いたいらしい。
改憲はしたくても、3分の2の壁に阻まれる。
ボロが出ず期待されているうちに参院選挙をおこなえば圧勝出来る可能性がある。
いつ安倍人気がしぼむかわからないので思いついたのが一網打尽方式。
この3分の2の勢力を使って、改憲条件の3分の2を半分にしてしまえば、あとはいつでも過半数で自在に条文をいじれるではないか。こいつは名案だ。いつやるか、今でしょ!
この人はどうやら悪知恵のまわり方が半端じゃないようだ。
自民党得意の土建ばらまき成長戦略などに期待して、参院選で自民党を圧勝させてしまったら、この人は勢いに乗る。
こんな人に、わたしたちはなめられていいのか。
憲法第九条 第二章 戦争の放棄
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
<まとめ終わり>
高畑さんの主旨は2004年のこちらの記事でも読む事ができます。
戦争とアニメ映画
選挙前に、よく考えて欲しい内容でした。
それから!今日20日は、三宅洋平さんと山本太郎さんの選挙フェスが渋谷ハチ公前であります!
詳細はこちら
http://www.earth-garden.jp/magazine/29803/
私は、仕事で行けませんが、ご都合つけられる方は是非参加されて下さいね。