おとといの「人穴伝説」には続きがあります。
仁田忠常の探検から、およそ350年後のこと。
再び富士山麓の「人穴洞窟」に足を踏み入れた人間がいました。
江戸時代に隆盛する新たな富士山信仰の教団・富士講の開祖となった藤原(長谷川)角行です。
角行は、戦乱の終息を待望する父母が北斗星に祈願して授かった子だとする説や、7歳で北斗星のお告げをうけて己の宿命を自覚したなどという伝説がありますが、彼は18歳の時に諸国の霊場巡拝の旅に出ています。
そして、奥州の達谷窟(たっこくのいわや)で21日間の断食修行をしていた時、役行者が現れて、お告げを授かりました。
「衆生済度の大行の志は素晴らしいが、ここで成就することは難しいだろう。
ここから西に行った駿河国にいらっしゃる不二仙元大日神は、天地開びゃくの柱であり、宇宙の始原であり、万物の根源である。
天孫ニニギがコノハナサクヤヒメを娶ったゆえに、その子孫が末永く続き、それは日本人王(天皇)の始原となった。
このために人王の国は、富士山の神通力によって国を治め、富士山は我が国の柱にして、インド・中国・日本の三国にふたつとない霊山となったのである。
ゆえに、行者の心願成就には、不二仙元大日の功徳を願うべきである。
富士の西麓に、人穴という行場がある。
そこで大行を積めば、神力が現れる事は疑いないだろう。」
こうして角行は、富士山こそが森羅万象の本源であるという秘儀を役行者の神霊から啓示されたのです。
角行は、奥州を発ち富士の人穴に到着しましたが、またしてもここで村人から止めらるのです。
「この洞窟に入ってはなりません。
入ったら最後、二度と外に戻れないのです。
昔、仁田忠常という武士が中に入って、命からがら戻って来た事がありますが、後になって誅殺され、お家が断絶の憂き目に遭いました。」
その為角行は、渋々人穴を離れて「白糸の滝」に赴き、そこで行に励んでいました。
ところが7日目の夜、謎の老人がどこからともなく現れ「我と共に来るべし。」と告げ、角行を人穴の入り口へと導いたそうです。
そして、闇夜の中、角行は意を決して人穴洞窟へ飛び込んでいくのです。
真っ暗な洞窟の中で、ひたすら坐禅を続けること7日、光明と共に再びあの老人が現れます。
そして、角行の富士山への篤い信仰と、衆生済度のために命をも惜しまぬ修行への熱意を知ると、老人は大願成就のための特別な修行法を角行に講じ、姿を消しました。
その修行方法とは、約14センチ角の材木の切り口に立ち、1000日間立ち続けるというもので、これが彼の名前の由来になっています。
そして、それから1000日経った満願の日、ついに不二仙元大日神の啓示が角行に下り、富士の神が万物の源であり、世界の創造が富士山を中心に行われた事をしっかりと悟ったということです。
角行は、その後も1000日行を繰り返した後、富士山に登ります。
そして、一旦富士山を離れて各地へ修行の旅に出ました。
数年後に再び富士山に戻ると、人穴の洞窟の中での修行に励んだということです。
元和6年(1620)に江戸で「つきたおし」という恐ろしい疫病が流行した時には、「ふせぎ」というまじないを行って病魔を祓い、祈祷師として有名になりました。
その後も角行は修行を重ね、正保3年(1646)、106歳で人穴の中で入定しています。
角行の信仰は、その後も富士の山岳修行者に受け継がれ、それがやがて富士講へと発展していきました。
そして富士の人穴は、富士講信者の聖地となり、富士山登拝の前後に巡礼されるようになり、壮麗な神社も建立されるようになったのです。
しかし、明治以降に富士講が次第に衰微してゆくと、人穴もうら寂しい無人の荒れ地となり、某宗教団体が世間を騒がせた時のみ知られた地名になってしまいました。
もしかすると、あの宗教団体は、この地が異次元とつながる聖地である事を、既に調査済みだったのかも知れませんね。
富士山の鬼門にあたる「不二阿祖山太神宮」のあたりだけでなく、「富士王朝」は、富士山麓に広く存在していたのではないかと思えるのです。
以前に、西富士オートキャンプ場のニニギさんの所に訪問した時に、敷地内に「天の岩戸」や「ライオン石」があったのを思い出しました。
過去記事より
天の岩戸
ライオン石
ライオン石は、狛犬やスフィンクスのように対になっていたようです。
古代ユダヤとの関わりを感じます。
その場所は、「人穴」から目と鼻の先なのです。
さらに、龍神レイキの川島伸介さんも、富士王朝の名残りと思われる場所の写真を撮っています。
川島伸介さんのブログより
分かりますか?
芝生の草原に、てっぺんが平らになった土台のような壁のような盛り上がりが横長に続いているのです。
ここに何かがあったはずです。
本当に謎の多い富士山麓です。
「宮下文書」に記述があるように、天地開びゃくの時に、富士山の噴火と共に神々が生まれたとするならば、「役行者」も言うように、まさしく「富士山こそが宇宙の根源」なのでしょうか。
すごいな富士山!
こんな偉大な富士山が毎日拝める場所に住めて幸せです。