昨日、与党は安保法案についての最後の質疑となる「締めくくり総括質疑」を本日16日夕方6時から行う事が発表されました。
横浜市での地方公聴会の終了後、直ちに国会に戻り、2時間の審議を行った後質疑を打ち切り、強行採決をする予定のようです。
その決定前の15日午後には、中央公聴会が開かれ、その中に安保法案に反対する学生グループ「SEALDs」の中心メンバー・奥田愛基(あき)さん(明治学院大4年)の姿もありました。
しかし、国民からの要望も虚しく、NHKはまたしてもその様子を中継してはくれませんでした。
奥田さんの発言の文字起こしはこちらから読めます。
けれど、奥田さんらを呼んだこの公聴会すらも、単なるデモンストレーションなのではないでしょうか。
「一応、ちゃんと国民の意見も聞いたよ!」と言う。。
もう最初から「国民の支持がなくても採決する」という図式は出来ていたのでしょう。
東京新聞より
首相、支持なくとも安保法案採決「成立後に国民は理解」
安全保障関連法案に関する参院特別委員会は14日、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して集中審議を行った。
首相は、法案に国民の支持が広がっていないと認めた上で「熟議の後に決めるべき時には決めなくてはならない。それが民主主義のルールだ」と参院に早期の採決を促した。
法案が成立した後に国民の理解が広がるとの見方も示した。
首相は各種の世論調査で法案への反対が多数を占めることについて「残念ながら、まだ支持が広がっていないのは事実だ」と述べた。
同時に「国民の命、平和な暮らしを守るために必要不可欠な法案だ。一日も早く成立させたい」と強調した。
安倍政権は7月15、16日、法案に国民の理解は得られていないと首相が明言しているのに、衆院で採決に踏み切った。
首相は参院審議に向け「理解が進むよう努力を重ねていきたい」と述べたが、二カ月、約92時間の参院審議を経ても、法案への反対は根強い。
首相は14日の特別委では「法案が成立し、時が経ていく中で間違いなく理解は広がっていく」と述べた。
民主、共産など野党側は、採決阻止に向け安倍内閣不信任案や首相問責決議案を提出する方針だ。
天木直人さんのブログより
芝居は最後に見せ場が来るというけれど
安保法案特別委員会という大芝居もいよいよ最後になってきた。
その最後で安倍首相のとんでもない発言が飛び出した。
きのう9月14日の参院特別委員会で次のような発言が飛び出したらしい。
「残念ながらまだ支持が広がっていないのは事実だ」と述べた後で、「一日も早く成立させたい」と述べたと言う。
これは国民の支持がなくても採決すると言っているのと同じだ。
あの高村正彦自民党副総裁の言ったとおりのことを国会で堂々としゃべった。
高村副総裁の暴言はうっかり見逃過ごしてしまったが、今度の国会答弁は見逃すわけにはいかないだろう。
おまけに、これが民主主義のルールだ、と言ったらしい。
「熟議の後に決めるべき時には決めなくてはならない。それが民主主義のルールだ」と。
これは冗談ではないのか。
ならば今度の安保法案をそこまでして今国会で通す緊急必要性は何か。
これに対しても安倍首相は次のように冗談を言ったらしい。
ホルムズ海峡の機雷掃海は想定していないと。
例外中の例外だが念のために法案をつくるのだと。
集団的自衛権 ホルムズ掃海「想定せず」首相、代表例を自ら否定
これには驚いた。
安保法案が5月に国会で審議入りした時は、ホルムズ海峡掃海ばかり言っていたのではなかったか。
最後に飛び出した安倍首相のこの発言は、集団的自衛権行使容認の為の安保法案は必要ないと認めたに等しい。
つまり立法根拠はないのだ。もう滅茶苦茶だ。
何のため国会を大幅延長して4カ月も審議して来たのか。
芝居は最後に見せ場がやって来ると言う。その通りだ。
野党は席を立とうともせず一生懸命最後まで質問を続けている。
与野党共演の猿芝居の最大の見せ場である。
朝日新聞の社説より
安保法案―民意無視の採決やめよ
安倍政権は、新しい安全保障関連法案を週内に成立させようとしている。
国会の会期末が、秋の大型連休をはさんで27日に迫っているからだ。
ところが、衆参両院を通じ200時間もの審議で、集団的自衛権行使の違憲性をはじめ様々な問題の指摘に納得できる答弁はなされていない。
国民の多くが不信と不満を抱いている。
こうした民意をかえりみぬ採決は、してはならない。
最新の朝日新聞社の世論調査では、法案に賛成29%に対し、反対は54%に達した。
注目すべきは「今の国会で成立させる必要はない」が68%、「国会での議論は尽くされていない」が75%に上ったことだ。
法案に賛成と答えた人の中でも、議論が尽くされていないと答えた人が57%もいる。
法案の趣旨には賛成でも、政府の答弁ぶりには納得がいかないということだろう。
参院の特別委員会は15日に中央公聴会、16日に横浜市で地方公聴会を開く。
自民、公明の与党は、地方公聴会が終われば直ちに採決に踏み切る構えだ。
中央公聴会には過去10年で最多の95人が、意見表明する公述人に応募した。野党によれば、全員が法案に反対だという。
今回に限らないが、有識者や市民から意見を聞く公聴会は、重要法案の採決に向けた条件整備と位置づけられ、形骸化しているのが実情だ。
だが、この法案は平和国家としての日本の針路を左右する重要法案だ。
違憲の疑いも濃い。
世論調査での不満や公述人への多数の応募を考えれば、公聴会は「いま現在の民意」を国会につなぐ回路として重要な意義を持つ。
アリバイづくりですませるわけにはいかない。
いまの国会は、戦後最も長い95日間延長された。
首相は「徹底審議」をアピールしたが、与党には法案を受け取ってから60日以内に参院が議決しない時、衆院が再議決できる憲法59条の適用も念頭にあった。
安倍首相はきのうの参院特別委で、世論の反対を認めたうえで「選挙で選ばれた議員で審議を深め、決めるときには決めていただきたい」と語った。
与党幹部は先週、「参院で決着をつけるべきだ」として、衆院での再議決はしない方針を確認している。
当然のことだ。一院の議決だけで成立させるなど言語道断である。
首相が強調した徹底審議の結果が、世論の反対だ。
27日の会期末までに参院で採決できなければ、いさぎよく廃案にするのが筋である。
<転載終わり>
今日の夜、おそらく安保法案は採決されるでしょう。
けれど、これで終わりではありません。
私たちは、まだまだ抵抗を続けて行きます。
日本の平和、ひいては世界の平和を守る為に!!
ここからが、本当のスタートです。
この世に生まれて来たのは、困難に立ち向かう勇気を学ぶためでもあるのですから。
